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特別代理人

特別代理人

特別代理人ってなに?~親と子の「利益がぶつかるとき」に必要な手続き~

相続の手続きをしていると、「特別代理人を選任してください」と言われることがあります。
「え?特別代理人ってなに?」「私に必要なの?」と不安に思う方もいらっしゃるかもしれません。
今回は、この「特別代理人の選任」について、できるだけやさしく、わかりやすくご説明します。

特別代理人ってどんなときに必要なの?

特別代理人が必要になるのは、親が子どもの代理として何かをしようとするときに、「その内容が親と子どもで利益がぶつかってしまう」ような場合です。
これを「利益相反(りえきそうはん)」といいます。

たとえば、こんなケースです:

  • お父さんが亡くなり、お母さんと未成年の子どもで遺産分けを決めるとき
  • 親の借金のために、子ども名義の土地に担保(抵当権)をつけるとき
  • 親が子どもにだけ「相続放棄」をさせようとするとき

こういった場面では、親がそのまま子どもの代理人として手続きをするのは公平ではないため、家庭裁判所にお願いして「特別代理人」を選んでもらう必要があります。

誰が申し立てをするの?

家庭裁判所に「特別代理人を選んでください」と申し立てができるのは、次の人たちです:

  • 親権者(たとえば、お母さんなど)
  • その他、関係のある人(利害関係人)

どこに申し立てるの?

子どもが住んでいる場所を担当する家庭裁判所に申し立てます。

手続きに必要なお金と書類

【費用】

  • 収入印紙:800円(子ども1人につき)
  • 郵便切手:必要な金額や種類は、申し立てをする家庭裁判所に確認しましょう。

【書類】

主な書類は次のとおりです:

  • 申し立て書(家庭裁判所のホームページに書式があります)
  • 子どもの戸籍謄本
  • 親の戸籍謄本
  • 特別代理人になる人の住民票など
  • 利益相反の内容がわかる資料(例:遺産分割協議書案や契約書案など)

※必要書類は一通でOK。入手が難しい戸籍などは、あとから提出でも大丈夫です。

特別代理人は何をするの?

家庭裁判所が「この手続きをしてください」と決めた内容だけに限って、未成年の子どもの代理として手続きをします。
勝手に他のことをすることはできません。

手続きが終われば、特別代理人としての役割も終わります。

誰でも特別代理人になれるの?

法律上、資格などは特に必要ありません。
ただし、「本当に子どもの利益を守れる人かどうか」がとても大切です。
家庭裁判所が、親族との関係や利害関係の有無などを見て、ふさわしいかどうかを判断します。

最後に

「特別代理人」と聞くと、なんだか難しそうに感じるかもしれませんが、
大切なのは「未成年の子どもが不利にならないように守るため」の手続きということです。

家庭裁判所に相談しながら、ひとつずつ進めていけば大丈夫。
もし不安なときは、司法書士や弁護士などの専門家に相談するのもおすすめです。