
今回は、不動産登記にまつわる少しややこしいけれど、とても大切な手続き、「検索用情報の申出」について、できるだけわかりやすくお話しします。
■ そもそも「スマート変更登記」って?
令和8年(2026年)4月から、不動産の所有者は、住所や氏名が変わったときに2年以内に登記をしなければならない義務ができました。
でもご安心ください。
あらかじめ「ある申出」をしておけば、その後、住所などが変わっても、自分で登記をしなくても済む方法が用意されているのです。それが「スマート変更登記」です。
このサービスを利用すると、法務局が自動的に(職権で)あなたの登記情報を更新してくれるんです。
では、そのために何をすればいいのでしょうか?
■ 検索用情報の申出とは?
スマート変更登記を利用するために必要なステップのひとつが、「検索用情報の申出」です。
これは、あなたの氏名や住所などを、登記申請と一緒に提出することで、将来の変更登記に備えて登録しておく手続きです。
この申出が必要となるのは、以下のような登記のときです
- 所有権の保存登記
- 所有権の移転登記
- 合体による登記(所有権が一緒に登記される場合)
- 所有権の更正登記(新しく登記名義人になる人がいる場合)
ただし、以下のような方は対象外です:
- 法人の方
- 海外に住んでいる方
- 申請人ではない方
申請人でない方とは、代位による登記申請。ただし登記完了後に本人から申出可能です。
※ 法人の方は「会社法人等番号の登記」をすれば、スマート変更登記が利用できます!
■ 登録する「検索用情報」ってどんな内容?
申出で伝える情報は、次の5つです:
- 氏名
- 氏名のふりがな(外国籍の方はローマ字表記)
- 住所
- 生年月日
- 本人が使っているメールアドレス
※メールアドレスは、法務局から確認のメールが届く大切な連絡先です。必ず本人のものを登録しましょう。
■ 申出手続きのやり方
● オンライン申請の場合
必要な項目をそれぞれの入力欄に入力するだけです。
● 書面申請の場合
申請書の中に、上記の情報を記載します。記載例は法務局のホームページにも掲載されています。
■ 手続き完了の知らせがメールで届きます
申請が無事に受理されると、法務局から次のような内容のメールが届きます
- 手続きが完了したこと
- 立件の年月日と立件番号
- 不動産番号
- 認証キー(メールアドレス変更に必要な10桁の番号)
- 申出を受けた登記所の表示
※認証キーは、申出済みのメールアドレス変更手続時に本人確認のため使用されます。
■ その他のポイント
- 登記申請と同時にする検索用情報の申出(同時申請)の場合この申出でカバーされるのは「今回申請した不動産」だけです。令和7年4月21日よりまえに、すでに登記している他の不動産がある場合は、別途申出が必要です。
- 外国籍で、外国人住民票にローマ字氏名の記載がない場合は、ローマ字記載は不要。
- 通称名による登記申請時にもローマ字氏名の記載は不要。
- メールアドレスがない場合は「なし」と記載(オンライン申請では「その他事項欄」に記入)。
■ まとめ
不動産の住所や氏名が変わったとき、いちいち登記をし直すのは大変ですよね。
でも、「検索用情報の申出」を登記申請と一緒にしておくことで、これからは法務局が自動で変更登記してくれるようになります。
そこで、令和7年4月21日より、上記の移転登記等をするときには、あわせて検索用情報の申出をすることになりました。
すでに、自分名義の不動産がある方は、面倒をひとつ減らすためにも、「検索用情報の申出」をし、ぜひこの「スマート変更登記」の制度を活用してみてください。
詳細は法務省のサイトで細かく説明がされているので、そこでも
確認くださいね!