
【相続登記】相続人が外国に住んでいて印鑑証明書を取れないときはどうすればいいの?
不動産を相続して登記(名義変更)をするときには、相続人全員の署名や押印が必要になります。
そのうえで、普通は「印鑑証明書」も一緒に提出します。
でも…
相続人の中に、外国に住んでいて日本の印鑑証明書が取れない人がいる場合、どうすればいいのでしょうか?
そんなときも、きちんと手続きを進める方法がありますので、やさしくご説明します。
■ 印鑑証明書が取れないなら「署名証明書(サイン証明)」を使います
外国に住んでいる方は、日本の市役所などで印鑑証明書を取ることができません。
その代わりとして、**「署名証明書(サイン証明)」**という書類を使うことができます。
これは、日本の大使館や領事館が発行するもので、
**「本人が目の前でこの書類にサイン(署名)したことを証明する」**という内容です。
つまり、印鑑証明書の「代わり」になるんですね。
■ 署名証明書には2つの種類があります
大使館や領事館で出してもらえる署名証明書には、以下の2つのタイプがあります:
- 形式1:サインした書類と証明書を一緒に綴って割印(押印)する方法
- 形式2:サインだけを単独で証明する方法
どちらを使うかは、書類の提出先(法務局など)が決める場合があります。
相続登記の場合は「形式1」が使われることが多いので、念のため事前に法務局などに確認しましょう。
■ 署名証明を取るときに必要なもの
署名証明を取るには、以下のものが必要になります:
- 有効な日本のパスポート(本人確認のため)
- 署名すべき書類(たとえば遺産分割協議書など)
※この書類には、大使館でサインする必要があるので、サインせずに持っていくこと!
■ 注意点
- 申請は本人しかできません。代理人や郵送ではできないので注意!
- **大使館や領事館に行く必要があります。**遠方の場合は、時間に余裕を持って計画を立てましょう。
- 手数料は1通につき日本円で1,700円相当(現地通貨で支払い)です。
- 大使館が遠いなどで行けない場合は、現地の公証人が作ったサイン証明書でもOKとされています(国によって異なるので確認が必要です)。
■ 元日本人の場合でも、条件によっては署名証明が発行できることがあります
すでに日本国籍を失っている方でも、以前のパスポートや戸籍謄本などを提示すれば、署名証明を出してもらえる場合があります。
詳しくは、その国にある日本大使館や領事館に問い合わせてみてください。
■ まとめ
相続人が外国に住んでいて印鑑証明書が取れない場合でも、
「署名証明書(サイン証明)」を使えば、相続登記を進めることができます。
ポイントは、
- 大使館・領事館での手続きが必要
- サインはその場で行うこと
- 本人確認書類(パスポート)が必要
- 必ず事前に提出先(法務局など)に確認すること
となります。
不動産の相続登記は、大切な手続きです。
「海外に住んでるから無理かも…」とあきらめずに、落ち着いて準備していきましょう!