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住宅リースバックとは?

2025年5月13日付の日本経済新聞で、リースバックを巡る高齢者の契約トラブルが報道されました。高齢化社会を迎える中、住まいの選択肢として注目されている「リースバック」について、ご紹介します。


住宅のリースバックとは?

「リースバック」とは、自宅を売却して現金を得たうえで、売却後もその住宅に住み続けることができる仕組みです。
これは、買主である事業者と賃貸借契約を結ぶことで実現します。

つまり、

  • 住宅の所有権は買主に移転するが、
  • 元の住人は賃料を支払ってそのまま住み続けられる

というものです。


なぜ注目されているの?

リースバックは次のような理由で注目を集めています。

  • 住み替えの円滑化
  • 老後資金の確保
  • 住宅の新たな活用法

実際、令和3年3月に閣議決定された「住生活基本計画」においても、「健全なリースバックの普及」が位置づけられています。


リースバックの利用例

リースバックは様々な生活スタイルに応じて利用されています。以下は想定される利用例です。

① 高齢者施設への住み替えに活用

自宅を売却して資金を得た後、高齢者施設へ移るが、手続きまでの間は自宅に住み続けたい、という場合など。

② 建て替え資金の捻出に利用

実家を建て替えるために一時的に資金が必要となった際、リースバックを活用して工事期間中も住み続ける。


リースバックの仕組み

  1. 売主が住宅を事業者に売却
  2. その代金は一括で受け取る
  3. 同時に事業者と賃貸借契約を締結
  4. 毎月賃料を支払いながら、同じ住宅に居住

買主(事業者)は将来的に退去後の住宅を再販などにより処分します。


注意!リースバックのトラブル事例

リースバックは便利な制度ですが、トラブルも報告されています。

  • 強引な勧誘で契約してしまい、高額な違約金を請求された
  • 支払った賃料の合計が数年で売却価格を超えてしまった
  • 市場価格より著しく安く売却してしまった
  • 当初の説明と実際の賃貸条件が異なり、住み続けられなくなった

リースバック利用時のチェックポイント

トラブルを防ぐために、以下の点をよく確認してから契約しましょう。

1. 他の選択肢も検討

複数の不動産業者や金融機関に相談し、リースバック以外の方法(通常の売却・融資など)と比較する。

2. 営業トークをうのみにしない

契約内容をしっかり理解し、家族や親族と相談して決めること。

3. 賃料の支払い可能性を確認

将来にわたり毎月の賃料を支払えるか、ライフプランに応じて計算しておく。

4. 売却価格の妥当性を確認

提示された売却価格が適正かどうか、複数の事業者から見積もりを取り比較する。

5. 買い戻しの条件を確認

「いくらで買い戻せるのか」など、買い戻しを希望する場合の条件を契約前に確認する。

6. 居住期間の明確化

望む期間住み続けられるか、契約書に更新や再契約の条件が書かれているか確認する。

7. 修繕・設備の負担者を確認

設備が壊れた場合の修繕費を誰が負担するか、新しい設備の設置は可能か、などもチェック。


まとめ

リースバックは、高齢者の住み替えや資金調達手段として有効な制度ですが、十分な理解と慎重な検討が不可欠です。
「売ったら終わり」ではなく、「住み続けるための新しい形」として、しっかりと契約内容を確認し、後悔のない選択を心がけましょう。



 足立区足立の司法書士金山友子事務所